やまっちF.C.的 サッカー日本代表2005年ベスト10

第10位 10/12 ウクライナ 1‐0 日本

シェフチェンコら主力を欠くウクライナに対し、日本は中田浩二ボランチ稲本潤一を左サイドに配したダイヤモンド型の中盤を形成し前半は両者無得点のまま折り返したが、53分に中田浩が不可解な判定でレッドカードを受け一発退場に。さらに終了間際、箕輪義信接触プレーに対し主審がPKを宣告。これを決められ、0ー1で試合終了して敗戦。ラトビア戦を含めたこの東欧遠征で松井大輔という新たなカードを発見できたのは良かったが、全体的な印象としては日本代表は悪くない試合をするし、ある時間帯を切り取ると絶賛されていいサッカーをするが、W杯ではそれだけでは勝てないというのを十分に教えられた試合だった

第9位 6/3 バーレーン 0ー1 日本 (得点者:小笠原満男

ドイツW杯アジア最終予選第4戦。日本は柳沢敦の下に中村俊輔小笠原満男が並ぶ3ー6ー1という初の布陣で臨んだ。序盤はお互いが相手の出方を窺う静かな展開。均衡が破れたのは前半34分。中田英寿からの縦パスを中村がヒールで流し、小笠原がゴール左隅に決め、日本が先制した。後半はバーレーンの反撃を日本がいなして、1ー0で終了。アウェーの地で貴重な勝ち点3を獲得して3大会連続のW杯出場に王手をかけた。この試合で一番印象深いのは、ジーコが就任したときに夢見た「黄金の4人」のパスワーク。小野伸二稲本潤一もいなかったが、福西崇史中田英、中村、小笠原の4人がこれまでにないサッカーを創りだした。また、1トップに入った柳沢の守備面での貢献も素晴らしかった

第8位 9/7 日本 5ー4 ホンジュラス (得点者:柳沢敦2、高原直泰中村俊輔小笠原満男

ワールドカップ本大会を見据え、苦手の中南米対策として組まれたこの試合。試合の立ち上がりをどのように入っていくか注目されたが、前半8分にカウンターからいきなり失点し、27分にもホンジュラスが追加点。ディフェンスラインの裏を突くスルーパス、サイドで1対1を作り出すうまさに、日本の守備陣は翻弄された。しかし、前半も半ばを過ぎると、日本が次第に盛り返し始め、海外組で組まれた中盤から前線の選手が奮起し、高原直泰のゴールで1点を返す。ところが、終了間際に痛恨のミスからまたも失点。良い流れを断ち切られ、苦しい形で後半に入ることになった。後半開始早々にセットプレーから1点を返すが、その直後に再び失点し、そこからは乱戦状態。日本は三度1点差に追いつき、柳沢敦が同点、そして小笠原満男の逆転弾と、勝利への執念を見せた。しかし守備の問題は試合終了まで解決することなく、ホンジュラスに幾度となく決定機を作られ、4バックのサイドがつり出され、素早く中央にパスを戻されると、最終ラインとボランチの間にあるスペースをうまく使われてしまうのは相変わらずであり、W杯に中南米対策として臨んだものの、反省材料が山積みの試合となった

第7位 3/30 日本 1ー0 バーレーン (得点者:オウンゴール

テヘランで一敗地にまみれて迎えたホームでのドイツW杯アジア最終予選第3戦のバーレーン戦。勝ち点3が史上命題だったが、守備を固める相手に攻撃の形を作れず、前半をスコアレスで折り返す。しかし、後半に入って左サイドで三都主アレサンドロが積極的に仕掛けてリズムを作るなどし、徐々にゴールへの機運が高まっていく。すると71分、ゴール前での混線がサルミーンオウンゴールを誘い、ついに先制点の奪取に成功。守備陣もバーレーンの速攻を最後まで封じ、最少得点差で勝利を挙げた。この試合で3バックに戻し、中田英寿ボランチで起用しようとも、このチームの問題である攻撃に関しては改善のサインは見えなかったのは気になるとこだった

第6位 6/19 日本 1ー0 ギリシャ (得点者:大黒将志

コンフェデレーションズカップグループリーグ第2戦。負ければグループリーグ敗退が濃厚になる後がない一戦で、ジーコ監督が選んだ布陣は4ー4ー2。平均身長183.3を誇るギリシャに対し、体を張ったディフェンスで奮闘した。攻撃面でも中田英寿中村俊輔が再三の好機を演出。一貫してボールを支配したが、玉田圭司柳沢敦の2トップは得点まで至らず、66分には玉田に代えて大黒将志が投入される。76分、中村のスルーパスから大黒が待望の決勝ゴール。日本は欧州王者から大きな勝ち星を奪った

第5位 8/7 韓国 0ー1 日本 (得点者:中澤佑二

中国戦に引き続き、若手主体で臨んだ東アジアサッカー選手権の第3戦。試合開始直後は左サイドから村井の突破をきっかけに、日本が何度か好機をつかんだが、その後は中盤での主導権争いが続き、韓国のプレッシャーに押し込まれ始める。日本がなかなか決定機を生み出せないのとは対照的に、韓国はロングパス一本で日本ディフェンスの裏を取り、ゴールに迫るが、日本はGK土肥洋一坪井慶介ら守備陣が奮闘し、無失点で前半を切り抜けた。後半開始直後から、積極的に韓国ゴール前に迫り、韓国の運動量が落ちてきたこともあり、中盤の主導権争いはやや日本が有利になる。坪井の負傷というアクシデントもあったが、交代で入った中澤佑二がセットプレーから決勝点を奪い、永遠のライバル韓国をアウエーで見事に下した

第4位 8/3 日本 2ー2 中国 (得点者:茂庭照幸田中達也

前の試合の北朝鮮戦から先発メンバーを全員入れ替えて臨んだ東アジアサッカー選手権の第2戦。フレッシュなメンバーが積極的に序盤から攻勢を仕掛けるが、あと一歩のタイミングが合わず、得点を奪うまでには至らない。すると中国が一瞬のすきを突き、前半37分に得点。さらにセットプレーから2点目を奪い取ってしまう。日本は試合のペースを握るも、簡単に失点を許してしまう嫌な展開であったが、後半13分に阿部勇樹の見事なFKから、茂庭照幸が押し込んで1点を返し、さらに同点、逆転を目指し大黒将志玉田圭司三都主アレサンドロを投入したが終盤に息切れ。田中達也が思い切りのいいシュートで同点ゴールを決めたが、あと1点を奪えず、無念の引き分けに終わってしまい、日本の東アジアサッカー選手権での自力優勝が消滅することになってしまった

第3位 3/25 イラン 2ー1 日本 (得点者:福西崇史

初戦の北朝鮮に勝って臨んだ最終予選の大一番のアウェーでのドイツW杯アジア最終予選第2戦のイラン戦。イランが3トップで来ると予想したジーコ監督は4バックの採用を決断するが、このぶっつけ本番のシステム変更は凶と出てしまう。イランは日本が4バックで来ることを見越し4-4ー2を採用し、中盤で組織的なプレスでボールを奪って前線へと展開し、主導権を握る。急増システムのため連携に合わず、徐々に押し込まれていった日本は25分、FKのこぼれ球からハシェミアンにゴールを決められ先制点を許す。その後も打開策を見出だせない日本だったが、イランの攻撃に耐えながら迎えた66分、福西崇史ボレーシュートを決めて追い付くことに成功する。アウェーであることわ考えれば、このまま勝ち点1を確保すり戦い方もあったが、ここで引き分けを狙うのか、それとも勝ちに行くのか意思統一にズレが生じる。そして、その綻びか致命傷になり同点弾から9分後、カリミのクロスを再びハシェミアンに押し込まれ、日本は今予選で初めて黒星を喫した

第2位 6/22 日本 2ー2 ブラジル (得点者:中村俊輔大黒将志

コンフェデレーションズカップのグループリーグ第3戦。4分、加地亮のシュートで日本が先制かと思われたが、判定はオフサイド。序盤はブラジルの個人技に翻弄され、10分には先制弾を浴びる。しかし27分、中村俊輔の強烈なロングシュートで同点に。32分にロナウジーニョのゴールで勝ち越しされるが、後半から大黒将志中田浩二を投入して果敢に攻撃を継続。88分、中村のFKがポストを直撃、こぼれ球を大黒が叩き込んで2ー2とした。準決勝進出は逃したが日本の健闘は世界に鮮烈な印象を与えた

第1位 2/9 日本 2ー1 北朝鮮 (得点者:小笠原満男大黒将志

ドイツW杯アジア最終予選第1戦。緊張感高まる最終予選の初戦。相手は情報が少なく未知数な相手の北朝鮮。開始4分、小笠原満男がFKを直接沈めて先制に成功するが、この先制点が北朝鮮に火をつけてしまう。9分にはリハンジェがFKを直接狙い、24分にアンヨンハッがミドルシュート。後半に入ると、さらに勢いを増した北朝鮮に押し込まれ、ついに61分、左サイドを突破したナムソンチョルのシュートがゴールに突き刺さり、試合は振り出しに戻ってしまう。ホームでの引き分けは負けに等しい。このピンチを救ったのが大黒将志だった。79分にピッチに姿を現すと、DFの裏を狙って攻撃を活性化。そして、ロスタイム。福西崇史がつないだボールをゴール前で素早く反転し、左足で放ったシュートがゴール左隅へ収まる。代表初ゴールをマークした大黒が日本代表を窮地から救った