ドラゴンボール風・サッカー日本代表②

⑧ 33巻 (P.135〜P.165)

角澤 「日本代表の運命を左右する2006年W杯グループリーグ初戦まであと20分あまり・・・ご覧のようにブラジル代表はすでにピッチに出てきています 我らのヒーロー小笠原はまだピッチに姿を現してはいません・・・お!?あの姿は・・・おお!!!やはり小笠原です!!!小笠原がダグアウトから出てきました!!!」
小笠原 「ふっふっふ・・・・・・」
 ビシッ!
角澤 「おーっと!!小笠原早くも勝利宣言ですーーーっ!!さすがです!!さすがJ1優勝クラブの王様です!!国内で最もうまい男を目の前にさすがのブラジルも心なしか動揺の色を隠せないように見えますーーーっ!!」
ロナウジーニョ 「・・・・・・なんだあのゴミは・・・?」
角澤 「さあーいよいよ試合開始まであと15分!!日本対ブラジル!!私個人の予想では司令塔対決はわずかに小笠原がロナウジーニョをリードか!!おーっと小笠原!試合開始まであと12分ほどあるのですが早くもピッチに入ろうとしております!!!やる気充分です!!!さすが国内で1番頼りになる男!!!」
 実況席に向かって手招きをする小笠原
角澤 「わ・・・私達に降りてこいといってるんでしょうか・・・こ・・・これは何とも・・・えー・・・わ、わかりました行きましょう!!!私達もプロです!!!勇気あるところを見ていただきましょう!!!そ、それに何といっても小笠原がついているのですから!!!」
角澤 「こ・・・この緊迫感あふれる映像をご覧下さい い・・・今まさに決勝T進出の行方を占う試合のピッチに世界一勇気のあるアナウンサー近づいているのです・・・え・・・えーっと・・・わ・・・私もピッチに入っていいんでしょうか・・・?」
小笠原 「私がついている 安心しろ」
角澤 「い・・・いかがでしょうか小笠原選手 い・・・今の心境は?」
小笠原 「計算の狂ってしまったブラジルに同情するぜ 奴等もまさか日本に俺ほどの司令塔が存在するとは思ってなかっただろう 聞け!ロナウジーニョ!貴様のノールックパスとやらが 隠し持った手鏡か何かを使ったトリックなのはわかっているぞ!!だがそんな手はこの俺には通用せん!!」
完全に小笠原を無視するロナウジーニョ
角澤 「聞こえないふりをしてますよ」
小笠原 「ふっふっふ・・・痛いところをつかれてビビりまくっているのだ」
角澤 「はっはっは アカンベーでもしてやりましょうか!」
小笠原 「わーはっは!!じゃあ俺はおしりペンペンだ!!」
視聴者 「・・・・・・あいつは一生ベンチでいいんじゃないのか・・・」
角澤 「え!?あ・・・あれ・・・!?」
小笠原 「ん?どうかしたのか?」
 ダグアウトから大きなサングラスをかけたユニフォーム姿の男が出てくる
角澤 「あ・・・あれはいったい・・・」
ロナウジーニョ 「ナカタめ・・・やはり性懲りもなくやってきたか・・・少しはうまくなったんだろうな」
角澤 「え・・・えーっと・・・今おかしな男が現れました・・・」
角澤 「か・・・海外から来たような気が・・・」
小笠原 「ハッタリだな・・・」
角澤 「か・・・彼もまさかこの試合に出場するつもりなのでしょうか・・・ちょ・・・ちょっと聞いてみましょう・・・」
角澤 「あの・・・き・・・君は何者かね・・・?見物だったらこんな近くにいちゃ駄目だぞ」
中田 「消えろ 英語以外で二度と俺に話しかけるな」
角澤 「・・・・・・」
角澤 「・・・ありゃただのちょっといかれた奴ですな あのサングラスも明らかに変だし」
小笠原 「ふうっ・・・ああいうのが一番困るんだよ ジャマで」
角澤 「さあーいよいよあと5分です!!あと5分で日本中が注目のW杯GL初戦が始まろうとしています!!予想通り日本代表で司令塔に入ろうとするのは小笠原のようです!!だがしかしそれも当然です!!小笠原のクラブはJ1でぶっちぎりの年間王者!!そこの王様である彼ひとりがいれば充分なのです!!」
ザッ!ザッ!ザッ!
ロナウジーニョ 「やっときたようだなナカムラ・・・待っていたぞ」
TVクルー 「あ・・・あの・・・あ・・・あそこ・・・」
角澤 「え?」
 ダグアウトから中村をはじめ高原・柳沢・小野・稲本・松井・大久保が出てくる
ロナウジーニョ 「おそろいでようこそ」
中田 「ち・・・ぞろぞろと来やがって・・・」
角澤 「・・・ぜ・・・全員海外からやって来ましたね・・・」
小笠原 「は・・・はやっているようだな その手のハッタリが・・・」
俊輔 「さてと!それじゃあ早速俺が単独司令塔に入るかな・・・いいだろ?ヒデ」
中田 「スキにしろ どっちにしてもフィニッシュを決めるのはこの俺だ・・・」
小笠原 「か・・・勝手にポジションを決めるんじゃないっ!!」
角澤 「あ・・・あの・・・もしかして君たちこの試合に出場するつもりなのか?」
俊輔 「そうだ 全員じゃねえけどな」
角澤 「悪ふざけはいい加減にしたまえ!!これはお遊びじゃないんだよ!!」
小笠原 「ふっふっふ・・・こいつは驚いた・・・この国内ナンバーワン司令塔である小笠原様からポジションを奪おうという身の程知らずがまだいたとはな・・・」
角澤 「彼はJ1王者鹿島アントラーズの王様なんだよ!天才なんだ!日本で1番うまい司令塔なんだよ!」
小野 「シュン・・・いいからまずあいつにやらせてやれ」
俊輔 「い・・・いいけどさあ・・・」
審判 「時間だ 誰が司令塔でもいい さっさとピッチに入れ」
小笠原 「当然オレだ オレに決まっている」
俊輔 「おめえ虐殺されっぞ 悪いこと言わねえからやめとけって」
角澤・小笠原 「ふうっ・・・」
角澤 「おいカメラ ちょっとあのキノコ頭を映してくれ」
TVクルー 「はい」
角澤 「私の耳には日本中のサポーターのやれやれという声が聞こえてくるようです このキノコは今小笠原満男に向かって何と言ったかおわかりでしょうか?何と言うことにかいて『お前虐殺されるぞ 悪いことは言わない やめておけ』 こう申したのです!」
TVの前の長尾先生 「アホかーっ!!このキノコ野郎、知ったかすんじゃないーっ!!!」
小野「まあいいからあの馬鹿のスキにやらせておけよ・・・虐殺されたってあいつは鹿島枠で復活できるんだしさ」
俊輔 「やれやれ・・・しょうがねえな・・・」
角澤 「あ!やっと納得したようです・・・といってもそれで当たり前なのですが・・・彼は気づいているのでしょうか?全国ネットで大恥を晒さずに済んだということに」
角澤 「海外帰りのわけのわからない連中に迷惑顔の小笠原!!気を取り直してやっと試合開始です!!」
角澤 「さあーいよいよです!!いよいよW杯のグループリーフ初戦が始まるのです!!日本代表の運命が決まるかもしれないこの試合ですが我らの小笠原選手は『とても楽しみにこの日を待っていた』と試合前頼もしい言葉を語ってくれました!!」
角澤 「おや小笠原選手・・・試合開始直前に何やらピッチの脇へと歩き出しました・・・そしてペットボトルを蹴り上げて・・・おっとリフティングです!! ペットボトルでリフティングを始めました!その回数なんと7・・・8・・・9・・・」
小笠原 「ふっふっふ・・・ずおりゃあああああ・・・!!」
角澤 「あーっ15回目で失敗したー!!だがすごい!!すばらしいまでのテクニックです!!14回!!何と14回もコントロールの難しいペットボトルでリフティングをしたのです!!」
小笠原 「ふうっ・・・」
海外組一同 「ぽかーん・・・」
ロナウド 「・・・本物の馬鹿だ・・・」
小笠原 「ブラジル代表!!俺様の足元でもてあそばれたこのペットボトルを見るがいい!!これが1分後の・・・お前たちの姿だ・・・」
角澤 「しびれました!!さすが鹿島の王様!!私は今激しく感動しております!!」
小笠原 (きまった・・・!今のは思った通り猛烈にきまったぞ!!やはり最新のDVDレコーダーで留守録をセットしてきてよかった・・・!!)
角澤 「ビビッています!!W杯5度の優勝を誇るブラジルもさすがに今の小笠原のテクニックを見てしまってはビビるしかありません!!しかし今更気づいてももう遅い!!日本代表は勝利を譲る気は全くありません!!」
小笠原 「よし!来−い!!」
角澤 「さあ!いよいよ試合が始まりました!!過去の通算成績2分5敗の日本対ブラジル!!日本に幾度となく苦杯を舐めさせたブラジルに今日王様の制裁が下ります!!」
小笠原 「はああああー!!」
角澤 「あーっと!ボールを持って突っ込んだー!!小笠原いきなりブラジルDF陣に挑戦状だー!!見事なドリブルが炸裂ー!!早くも日本の勝利が決まってしまったかー!!うおおっ!!小笠原選手攻撃の手を緩めようとしません!!滅多打ちです!!うまい!うま過ぎます!さすが鹿島の王様小笠原です!!」
小笠原 「だはははははー!!」
ルシオ 「うるさい」
 ドンッ!!ゴロゴロゴロ・・・!!(ルシオにタックルされあっさり吹っ飛ばされる小笠原)
角澤 「あれ?」
小笠原 「お・・・おうっ・・・いたっ!いだだだだ・・・!!」
角澤 「た・・・担架で運ばれてしまった・・・あ・・・あの・・・小笠原選手・・・戦線離脱してしまいました・・・」
ロナウジーニョ 「さあ早く本当の試合を始めるぞ・・・誰が司令塔をやるんだ?やはりナカムラ・・・お前か?」
俊輔 「ああ・・・そうだ」
角澤 「お・・・小笠原選手・・・なんで戦線離脱してしまったのですか?」
小笠原 「ちょ・・・ちょっと足を滑らせてしまったのだ・・・」
角澤 「吹っ飛ばされたように見えましたが・・・」
小笠原 「心配せんでいいぞ・・・ちょっと休憩したら今度は本気でやってやる・・・!」
中田 「あ・・・あいつまだレベルの違いに気づいてないのか・・・?馬鹿の王様だぞ・・・!」